「入居者様に選ばれる物件にしたいが、大がかりな設備投資は避けたい」。そう考えるデベロッパー様・管理会社様にとって、照明のスマート化は取り入れやすい選択肢の一つです。
照明は、電球やスイッチを変えるだけで導入できるものも多く、共用部の省エネや、専有部の付加価値による差別化につながります。
この記事では、照明をスマート化する方法を6つ紹介し、賃貸物件での向き不向きと、事業者にとっての導入メリットを解説します。なお、具体的な製品の費用相場は関連記事で扱います。
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▼この記事でわかること ・照明をスマート化する6つの方法と、代表的な製品 ・賃貸物件(共用部・専有部)での向き不向き ・共用部の省エネ・専有部の差別化など、事業者の導入メリット ・物件に合った方法の選び方 |
照明のスマート化を検討する際は、導入の手軽さに加え、「物件の収益にどうつながるのか」も押さえておきたいポイントです。
資料「スマートホームは本当に収益貢献できるのか?」では、スマートホームの費用対効果や収益貢献の考え方を、実際の成果・導入事例とともに紹介しています。設備投資に見合う効果を見極めたいデベロッパー様・管理会社様は、ぜひご覧ください。
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まず、照明をスマート化すると何ができるのかを、簡潔に確認します。
スマート照明では、アプリによる点灯・消灯に加え、対応製品では明るさ(調光)や光の色(調色)も調整できます。消し忘れを防いだり、生活リズムに合わせて明かりを変えたりできます。
さらに、対応する機器やハブなどを組み合わせることで、外出先からの遠隔操作や、アレクサなどの音声アシスタントによる操作も可能です。各機能の詳しい活用は、次章の6つの方法と後半の導入メリットで解説します。
ここからは、照明をスマート化する方法を6つ紹介します。①②は物件の設備として事業者が導入する方法、③〜⑥は入居者様が後から取り入れる方法です。各方法の代表的な製品もあわせて示します。
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導入する人 |
方法 |
代表製品例 |
工事の要否 |
向いている場所 |
|---|---|---|---|---|
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物件設備として事業者が導入 |
①壁スイッチ(交換型) |
パナソニック アドバンスシリーズ リンクプラス、コイズミ照明 ライトコントローラTS |
必要(電気工事) |
専有部・共用部 |
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②センサー連携 |
LifeSmart 人感センサー付き調光スイッチ |
製品・設置条件による |
共用部 |
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入居者様が後から取り入れる |
③スマート電球 |
Philips Hue |
不要 |
専有部 |
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④スマートシーリングライト |
アイリスオーヤマ LEDシーリングライト |
原則不要 |
専有部 |
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⑤スマートリモコン |
赤外線リモコン対応の照明や家電を、スマホや音声で操作する機器 |
不要 |
専有部 |
|
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⑥スマートプラグ |
コンセントに挿して、つないだ照明の電源をオン・オフする機器 |
不要 |
専有部 |
※工事の要否や追加機器の必要性は、既存設備と導入する製品によって異なります。
後付けの機器は手軽な一方、設定や管理は入居者様ごとになり、入退去時の初期化や問い合わせ対応を物件側でそろえにくい面があります。物件の設備として導入する場合は、配線に組み込む照明制御と、ほかの設備もまとめて管理できる仕組みを組み合わせるのが一般的です。
以下、それぞれの方法を順に解説します。
壁のスイッチを、スマート対応の照明スイッチに交換する方式です。スイッチや配線などの条件が合えば、既存の照明器具を交換せずに、点灯・消灯などをアプリから操作できるのが利点です。
新築では、配線に組み込む照明スイッチとして設計段階から計画でき、物件の設備として導入しやすい方法です。スイッチの交換には電気工事が必要で、取り付け条件や対応する配線方式は製品によって異なります。代表的な製品には、パナソニックの「アドバンスシリーズ リンクプラス」や、コイズミ照明の「ライトコントローラTS」があります。
人感センサーや明るさセンサーと連携させ、人の出入りや周囲の明るさに応じて、自動で点灯・消灯させる方式です。
共用部(廊下やエントランス)の省エネに有効で、事業者にとっての導入メリットが大きい方法です。電気代の削減と消し忘れの防止につながります。代表的な製品には、LifeSmartの「人感センサー付き調光スイッチ」があります。
ここからは、入居者様が後から取り入れる方法です。
スマート電球は、対応する照明器具であれば、既存の電球をスマート電球に交換して導入できます。工事が不要で、専有部の後付けに向いています。ただ、口金サイズ(E26・E17など)に加え、器具の形状や使用条件、必要なハブの有無も確認が必要です。
ダウンライトやペンダントライトにも使え、アレクサなどの音声アシスタントに対応する製品が多くあります。代表的な製品にはPhilips Hue(フィリップス)があり、ほかにSwitchBotやIKEAなどからも販売されています。
スマートシーリングライトは、天井の照明器具ごと、スマート対応のシーリングライトに交換する方式です。部屋全体の主照明をまとめてスマート化できます。
既存の天井配線器具が製品の取り付け条件に適合していれば、配線工事をせずに交換できます。代表的な製品には、アイリスオーヤマのスマートシーリングライトがあります。
スマートリモコンは、赤外線リモコンに対応した照明を、スマホや音声でまとめて操作できるようにする方式です。既存の照明や家電をそのまま活かせるため、後付けで導入しやすいのが特徴です。
照明以外の家電(エアコンやテレビなど)も一緒にスマート化できます。
スマートプラグは、コンセントに挿すだけで、スタンド照明や間接照明のオンオフをスマート化できる方式です。工事が不要で手軽に導入できます。
間接照明や補助照明に向いています。ただし、調光には対応していない場合があり、オンオフを中心とした用途に適します。
照明のスマート化は、入居者様の利便性だけでなく、事業者の経営面にも効果があります。ここでは、共用部・専有部・管理業務の3つの観点から、導入メリットを整理します。
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▼この章で分かること ・メリット①|共用部の電気代・消し忘れを削減 ・メリット②|専有部の付加価値で空室対策 ・メリット③|点検・巡回など管理業務を効率化 |
エントランスや廊下などの共用部照明は、人感センサーやタイマーで自動制御できます。人がいないときは消灯し、必要なときだけ点灯させることで、消し忘れを防ぎ、共用部の電気代を削減できます。
共用部の電気代は物件側の負担となるため、共用部照明の電力使用量を抑えることで、運用コストの削減が期待できます。環境省によると、白熱電球などを電球形LEDランプへ交換すると約86%の省エネになり、LED照明の消費電力は、ほぼ同じ明るさの蛍光灯のおよそ2分の1(約50%)とされています。センサーやタイマーによる自動制御を組み合わせれば、点灯時間の短縮でさらに電力を抑えられます。費用対効果は、導入費や利用料、保守費も含めて判断します。運用しながらコストを下げられる点が、事業者にとって大きなメリットです。
>>参考:環境省「LED照明への買換え効果|省エネ製品買換ナビゲーション『しんきゅうさん』」
>>参考:環境省「照明について|家庭部門のCO2排出実態統計調査」
専有部にスマート照明を標準装備すると、他物件との差別化につながります。調光・調色やシーン設定といった機能は、内見や募集の際に具体的な利用シーンとして伝えることで、入居者様に物件の魅力をイメージしてもらいやすくなります。
対応する機器・システムでは、照明の状態確認や遠隔操作ができ、現地での確認・操作の手間を減らせます。現地に行かずに状況を把握できる場面が増えます(確認できる情報は機器によって異なります)。
他のスマート機器とあわせて一元管理すれば、複数物件でも運用の手間を抑えられます。
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6つの方法から、物件に合ったものを選ぶための判断基準を整理します。事業者が押さえておきたい、後付け可否・対象範囲・連携のしやすさという3つの観点で解説します。
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▼この章で分かること ・選び方①|後付けか工事か、既存設備への対応で選ぶ ・選び方②|対象範囲(共用部・専有部)で選ぶ ・選び方③|連携・一元管理で選ぶ |
既存物件に導入する場合は、既存の照明器具や配線への対応と、工事の要否を確認します。電球・シーリング・リモコン・プラグ型は、既存設備が対応していれば、工事不要で導入できるものがあります。
一方、壁スイッチの交換やビルトイン型の導入などは、後付けでも工事を伴う場合があります。物件の設備条件や工事の可否に応じて、導入方式を選びましょう。
とくに新築では、配線やスイッチに照明制御を組み込む「ビルトイン型」を選べます。設計段階から照明計画と一体で組み込めるため、後付けの機器や配線が目立たず、内装の見た目をすっきり保てます。
新築で標準装備にすると、入居者様が自分で機器を買い揃えたり設定したりする必要がなく、入居したその日からスマート照明を使える状態で引き渡せます。全戸で仕様がそろうため、操作説明や入退去時の設定の初期化、問い合わせ対応といった運用も標準化しやすくなります。募集時には「スマートホーム対応の物件」として入居前から訴求でき、竣工時点から物件の付加価値として打ち出せる点もメリットです。デベロッパー様は、後付けの方法と比べた導入のしやすさに加え、竣工後の保守体制や将来の機器追加への対応も含めて検討するとよいでしょう。
導入する範囲によって、適した方法は変わります。共用部(廊下やエントランス)では、センサー連携による省エネを重視します。専有部では、調光やシーンなど、入居者様に訴求できる機能を重視します。
共用部と専有部では導入の目的が異なるため、物件ごとに優先度を決めて選ぶことが大切です。
将来の拡張を見据えるなら、連携のしやすさも重要です。Wi-Fiなどの通信方式に加え、Matterへの対応や、利用するアプリ・ハブとの互換性を確認します。照明単体で終わらせず、他の機器と連携・一元管理できる仕組みを選ぶと、後から拡張しやすくなります。
あわせて、入居者様の使いやすさも確認します。アプリに不慣れな入居者様もいるため、壁スイッチなど物理操作を残してスマホがなくても使える状態にし、壁スイッチを操作した場合の挙動や、通信が途切れた際の使い方もあわせて確認しておくことが大切です。入居者様からの問い合わせを減らすため、簡単な操作説明を用意しておくと、入退去時の管理の手間も抑えられます。誰にとっても使いやすいことが、入居者様の満足につながります。
物件の設備として照明をスマート化する場合に、照明スイッチなどの機器とあわせて検討したいのが、複数の機器を1つのアプリ・システムで束ねて管理する仕組みです。照明だけでなく、鍵や空調も含めて住まい全体のスマートホーム化を進められるサービスの一つに、三菱地所グループが提供する総合スマートホームサービス『HOMETACT(ホームタクト)』があります。
『HOMETACT』は、特定のメーカーに依存せず、照明・鍵・空調など多様な機器を1つのアプリで一元管理できます。賃貸や分譲マンション、戸建、注文住宅など、多様なアセットに対応し、新築のビルトインから既築の後付けまで導入できます。
照明まわりでは、パナソニック・コイズミ照明の照明スイッチや、Philips Hueなどと連携でき、2026年10月からはMatter認証の照明スイッチにも対応しています。
シーン機能や自動化、複数物件の一元管理に対応し、365日、10時〜21時に有人のコールセンターが入居者様からの問い合わせに対応します。照明から始めて、段階的にスマートホーム化を広げたい事業者に適しています。
なお、連携できる機器はメーカー・製品ごとに異なり、本記事で紹介した代表製品のすべてと連携できるわけではありません。対応機器は事前にご確認ください。
>>照明のスマート化を実現する『HOMETACT』の詳細はこちら
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照明・スマートホームの物件導入を相談する 賃貸物件の照明のスマート化や、スマートホーム設備の導入について、お気軽にご相談いただけます。 |
照明をスマート化する方法には、壁スイッチ(交換型)・センサー連携・スマート電球・シーリングライト・スマートリモコン・スマートプラグの6つがあります。物件の設備として事業者が導入する①②と、入居者様が後から取り入れる③〜⑥に分けて考えると選びやすくなります。
賃貸物件では、共用部の省エネ、専有部の付加価値による差別化、管理業務の効率化といった導入メリットがあります。照明を起点に、他の機器と連携させてスマートホーム化を進めると、物件の価値をさらに高められます。
スマートホーム設備の費用や、ほかの設備もあわせて検討したい場合は、関連記事もご覧ください。
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※本記事は2026年10月時点の情報を基に執筆しております。
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