
(左から、小原、西村氏)
スマートホーム“未開の地”でパイオニアになろうとしている。岐阜県の工務店「株式会社N Styleホーム」は、自社の注文住宅に初めて「HOMETACT」を導入した。同社代表取締役社長の西村弥氏は「HOMETACT」の標準化を目指すとともに、岐阜県や愛知県で「HOMETACT」を広げる役割を担いたいと語った。今回対談させていただいたのは三菱地所の小原。
今回の対談者
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西村 弥氏:株式会社N Styleホーム 代表取締役社長
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小原 直也:三菱地所株式会社 住宅業務企画部 副主事
覆された常識 初めて見た「HOMETACT」に衝撃
―N Styleホームさまの事業内容や会社の特徴を教えてください。
西村:弊社は岐阜県にある工務店です。岐阜県と愛知県で注文住宅を手がけています。全ての住宅で国の省エネ基準に基づいた「BELS評価」を取得し、最高ランクの星5つを実現するなど、住宅の機能性や安全性を大切にした家づくりが特徴です。私自身は元々、父親が経営していた工務店を継ぎ、代表を務めた後に、2020年に独立しました。よりお客さまと近い距離で関わりたいという思いが強く、一度限りの人生なので自分の考えや信念を貫く生き方をしようと起業しました。「HOMETACT」の導入もそうですが、新しいことに積極的にチャレンジしたい気持ちが強いです。
小原:西村社長と初めてお打合せしたのは昨年(2025年)6月頃でしたね。初めて「HOMETACT」をご覧いただいた時は、どのような印象を受けましたか?
西村:衝撃でしたね。スマートホームについては耳にする機会が増えていたものの、実際にどれだけ生活を便利にするのか、どんなことができるのかあまり想像ができていませんでした。動画やモデルルームを最初に拝見した時、「こんなにすごいサービスが世の中に生まれているのか」と驚きました。これまで長年住宅づくりに携わってきましたが、テクノロジーによって家電や住設機器が自動化し、家事の負担を減らしたり、生活を豊かにしたりする発想自体がなく、常識を覆されましたね。

小原:ご案内の際は、連携できる機器の幅や、住宅側の仕様に合わせた設計・運用イメージも含めてご説明しました。。西村社長が、非常に高い関心を持っていただいたのを覚えています。
「未来の暮らしが見えた」 最初の打ち合わせで導入決定
―ユーザー目線での利便性に加えて、サービスを導入する事業者としては「HOMETACT」のどんなところに魅力を感じましたか?
西村:「HOMETACT」は、あらゆるメーカーの家電や住設機器と連携が可能です。生活スタイルや希望に合わせて自在に組み合わせ、必ずお客さまの力になるサービスだと確信しました。未来の暮らしが見えましたね。事業者としては、お客さまへの提案の幅が広がり、他社との差別化にもなります。国内外のスマートホームの現在地を知り、日本はスマートホームの分野で世界から遅れを取っていると分かったのと同時に「HOMETACT」の将来の展望を伺ったことで、標準化に向けた動きを加速していく必要性も感じました。
小原:ご案内から、物件導入の決定までが非常に早かったですよね。打ち合わせが終わるタイミングで、「現在進行中の物件に入れたいので、お客さまに伝えます」とお話しいただき、住まい手への価値が明確になったタイミングで迷いなく動かれる姿勢を感じました。工務店として“いまの暮らしをどう良くするか”を起点に、お客さま目線で、今よりも良いモノやサービスをお客さまに届けたい想いが印象的でした。

西村:ちょうど着工直前の注文住宅があったので、お客さまに「とにかく、すごいんです」と「HOMETACT」をご提案しました。私は「いつかやるは、いつまでもやらない」という考え方を持っているので、すぐに行動へ移しました。お客さまも気に入ってくれて、弊社にとって初めての「HOMETACT」採用に至った形です。
戸建て住宅にもニーズ 業界のスタンダードになる日も遠くない
―これまでにない新しい取り組みに対して、社内から慎重論やリスクを指摘する声は挙がりませんでしたか?
西村:反対の声は出ませんでした。今まで私が本気で挑戦してみたいと思ったことをスタッフに反対された記憶がありません。私も、スタッフから「やってみたい」と相談されたことは全面的にバックアップしています。中でも、スタッフからかけてもらった印象的な言葉があります。経営者は経営方針をはじめ、色んな選択に迫られる中、「社長の選択が正解だと実証するのが私たちの仕事です」と背中を押してもらいました。こんな声をかけてくれるスタッフは、なかなかいませんよね。その言葉を、私は一生忘れません。

小原:従業員の方に恵まれている点と挑戦する文化があるのですね。「HOMETACT」が社内からも賛同されて安心しました。実際に導入したお客さまからは、どのような反応が届いていますか?
西村:「とにかく便利」と喜んでいます。まだ「HOMETACT」を使い始めて日が浅いので、お客さま自身が生活スタイルに合わせて便利な使い方を見つけている最中でもあります。これから住宅を建てるお客さまに「HOMETACT」についてご説明すると、「他の何かを削ってでも入れたい」という興味津々の方もいらっしゃいます。都市部と比べて岐阜県はスマートホームを取り入れているところが少ないのが実情です。ただ、きっかけ1つで、一気に広がっていく予感がします。私が子どもの頃はエアコンが贅沢品でしたが、今は自宅にあるのが当たり前で、複数台取り付けている家庭も珍しくありません。スマートホームが当たり前になる日も遠くないと思っています。
小原:「HOMETACT」の導入は、2022年に都内の自社グループでの賃貸マンションからスタートし、今は全国各地に拡大しています。一方で戸建て住宅は、私たちが直接住まい手へのご説明機会が限られる分、拡大はこれからという状況です。価値を丁寧に伝える工務店等の地域のビルダーが重要になります。岐阜県や愛知県で戸建て住宅に「HOMETACT」を標準採用を目指すN Styleホームさまと連携して普及させていきたいと考えております。
導入後もアップデートし続ける アフターフォローの手厚さも特徴
―今後の「HOMETACT」に期待することを教えてください。
西村:自分たち工務店としても、「HOMETACT」を普及させる力になりたいと思っています。岐阜県で初めてスマートホームを先進的に取り入れた企業として、「HOMETACT」の魅力や最新情報を伝えていくつもりです。そのために、知識を深める場があるとうれしいですね。自分たちの見識を広げて、お客さまにご提案するバリエーションを増やしていきたいと考えています。
小原:AIによって社会が変化するスピードが加速する中、住宅業界にも対応力が求められています。「HOMETACT」は拡張性を大きな特徴の1つとして、時代の移り変わりに合わせて柔軟に変化していきます。導入したら終わりではなく、導入後アップデートを重ねていくサービスです。スマホートホームの知識を深めていきたいとおっしゃっていただけるのは、非常にうれしいですね。私たちは「HOMETACT」をこれから採用しようという方に向けた情報提供の場を数多く設けていますが、御社のように戸建て住宅の全戸標準化を目指していく企業向けにも勉強会の開催を進めていきたいと思います。
西村:アップデートしていく「HOMETACT」は、導入がゴールではないと私も感じています。導入したら終わりではないという点では、三菱地所さんのきめ細やかなアフターフォローにも助けられています。ご連絡をいただいたり、アドバイスをいただいたり、気にかけてもらえることに感謝しています。手厚いサポートを受けられる面でも、「HOMETACT」を採用して良かったと思っています。

利便性と両立 住宅の安全性を向上させる機能充実へ
―事業者やユーザーの視点で、今以上に満足度を高めるために「HOMETACT」に求めるものはありますか?
西村:弊社は安全性に重点を置いた家づくりをしているので、住む方たちが安心して住める機能に惹かれます。例えば、ヒートショックが関連するとされる死亡者数は、年間1万人を超えると推計されています。家が原因で、本来全うできたはずの人生を終えてしまうリスクがあるわけです。私たちの経験やスキルに「HOMETACT」を組み合わせて、より安心・安全に暮らせる住宅を実現させたいですね。
小原:「HOMETACT」は対応する家電や住設機器を増やして、暮らしの利便性を高めてきました。安全面のユースケースは、力を入れていく分野の1つと考えています。現状では利便性と安全性を両立する機能として、エアコンや床暖房などの自動制御で室温を管理したり、遠隔で状況を確認したりすることが可能です。今後は、自宅にいる人の異変を感知して家族に通知する機能など、高齢者やお子さんが1人でもより安心・安全に過ごせる取り組みを進めていきたいと考えています。その際は、住宅の安全性のプロである御社の力をぜひお借りしたいです。私たちも「HOMETACT」にとどまらず、御社の課題解決につながる方法やノウハウを提供していきたいと思っています。
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